- 2006年12月17日〜21日
京大会館にて行われたRIMS研究集会
「群論とその周辺」
に参加し、「2A-elements of the Babymonster and idempotents of central charge 7/10」というタイトルで
講演をしてきました。今回は Dong 氏、Lam 氏が参加されていたので講演はもちろん英語で行いました。
一緒に飲んでいるときにはそこそこに話せていたつもりが、やはり大勢の聴衆の前で緊張したためか、
講演中はつたない英語しか話せませんでした。
この集会では九大の若手達と飲むことがよくあるのですが、毎年坂内研には若い学生が入ってきており、
私は若手の中では最年長に分類されるようになってしまいました。
宮本研にも若手は入ってきていますが、九大チームほど元気がないように思われます。
後輩達にも是非がんばってもらいたいものです。
って、こんな偉そうなことを言うとますます年長ぶってしまいますね。
私もまだまだ若手ですので、彼らに負けないようにがんばります。
- 2006年12月11日〜15日
UC Santa Cruz の
C. Dong 教授が11日から来日しており、
東大に滞在しています。
11日に成田まで車で迎えに行き、東大まで送迎しました。
時差にも負けず、車中では Dong 氏は常に喋り続けていました。タフガイです。
12日からは Dong 氏の最近の結果について、
色々と解説をして頂きました。
この結果は(証明に改良すべき点はあるとしても)とても良い結果で、日本の VOA グループにも
かなり注目されています。
今出来ている証明を理解する事はそれほど難しくなくとも、証明を誰よりも先に思いつくのはとても難しいことです。
Dong 氏によれば、彼はこの証明をここ数年ずっと考えていたそうで、この一本の論文には彼の
数年分の情熱がこもっているのだなぁと思いました。
私のこれまでの結果を振り返ってみると、数年間、考えて考え抜いて解けた結果というのはほとんどないように
思われます(といっても、実際に最先端の研究に携われるようになってからまだ6年弱しか経っていませんが)。
もちろん論文を書ける問題を見つけることも大事ですが、今回 Dong 氏との対話を通じて、難題に挑戦し続ける
意識を常に持ち続けることの重要さを学ばせて頂きました。
- 2006年11月27〜29日
この間、筑波大学物理系で行われた山田泰彦先生の共形場理論に関する集中講義を聴講してきました。
ボゾン系を使った自由場表示による BPZ 系列の考察など、不学な私にはとても面白い話を聴くことが
できました。また、久しぶりにつくばで過ごし、学生時代によくいったお店で食事をすることもできて、
とても良かったです。
- 2006年11月20〜21日
この二日間、台湾国立成功大学の C.H. Lam さんが
一橋大の山田先生の研究室を訪れており、私もお邪魔させて頂きました。
打ち合わせを行った結果、懸案だったモンスターの特別な性質を頂点作用素代数の理論から導くことができました。
- 2006年11月3日〜5日
名古屋大学多元数理研究科にて行われた研究集会「環論とその周辺」に参加してきました。
連休中にも関わらず多くの方が参加し、会場はとても盛況でした(むしろ連休だからかも)。
内容は非専門化向けの講演が多く、色々と勉強させてもらえましたが、やはり参加者の大多数が
環論の専門家なので、各講演の最後の方はついていけない部分もありました。
今流行の理論についても色々と話を聞くことができましたので、研究の幅を広げるためにも
もっと勉強しなくてはと強く感じました。
それはさておき、この集会は秋の3連休に行われたため、行き・帰りの新幹線とも物凄く混んでおり、
指定席が取れずほぼ立ちっぱなしで東京・名古屋間を往復することになり、とても疲れました。
- 2006年10月30日
有限群論駒場セミナーにて
「2A-elements of the Babymonster and idempotents of central charge 7/10」というタイトルで
最近の研究内容について発表をさせていただきました。
途中一箇所で私の勘違いを指摘され、モンスターの特別な性質を用いることになっていることが
分かり、改善すべき点が分かりました。
- 2006年9月26日
最近 Lam さんと書いた論文をプレプリントサーバーに載せました。
論文はこちらになります。
- 2006年9月18日〜20日
大阪市立大学にて開かれた2006年度日本数学会秋季総合分科会に参加し、
「枠付き頂点作用素代数の構造とその枠固定部分群」というタイトルで講演を行ってきました。
今年の9月はそれほど暑くなく、暑いと思われた大阪でもとても快適に過ごすことができました。
また、20日は午前中に大阪を発ち、午後からは立教大にて山田先生の講演を聴講してきました。
- 2006年8月17日〜24日
台湾の国立成功大学へ赴き、 C.H. Lam 氏と研究打ち合わせをしてきました。
今回も2月に訪れた時と同じく國家理論科學研究中心に
滞在させて頂きました。
18日には
「2A-elements of the Babymonster and idempotents of central charge 7/10」というタイトルで
講演をさせて頂きました。
今回の出張は30日までの2週間の予定だったのですが、私用のため1週間に短縮させてもらいました。
あまり時間がない中での研究討論でしたが、その分だらけずにかっちりと議論を深めることができました。
最近私が考えている問題を Lam さんに聞いて頂いたところ、Lam さんが一つアイデアを出してくださり、
かなり話をまとめることができ、ほぼ論文にできるところまで研究を進めることができました。
- 2006年8月9〜13日
松尾先生主導のもと、小研究集会「Applications of vertex algebras」が北大で行われ、
これに参加してきました。
この集会は夏の暑い時期に涼しい場所で研究合宿をしようという趣旨で開かれたものでした。
真夏の札幌は東京程ではありませんが、結構暑かったです。
しかし夜には随分涼しくなり、快適に過ごすことができました。
2月に北大に来たときは雪でとても歩きにくかったのですが、夏の札幌はとてもよい所です。
知り合いの参加者同士の集まりでしたので、それぞれの現在の研究についてじっくり
話を聞けましたし、午後は自由ディスカッションという形でこれまたじっくり研究打ち合わせが
できました。
- 2006年8月5日
東大で行われた第51回代数学シンポジウムにて、「枠付き頂点作用素代数の対称性と分類問題」
というタイトルで講演をさせて頂きました。
私のような若輩者がこの権威ある集会で講演する機会を頂けたことに感謝しております。
講演は Prosper という TeX のプレゼンテーション用の
パッケージを用いて作成した PDF を元に、プロジェクターを使用して行いました。
講演は黒板に板書が望ましい、という声もありますが、大人数相手に話をする場合には
OHPやプロジェクターの方が文字が見やすく、講演者としてやりやすい面があります。
また、Propser を使用する場合にはラップトップで原稿を準備するので、直前まで原稿を
いじれるという安心感があります。
講演の後、数人の聴講者にどのようにして原稿を作ったのか尋ねられました。
詳細が気になる方は例えばこちらなどを
参考にしてみてください。
また、学会発表のページに今回私が作成した PDF ファイルを置いておきましたので、
こちらも参考にしてください。
- 2006年8月1日〜4日
第18回有限群論草津セミナーに参加して、「枠付き頂点作用素代数の分類について」という
タイトルで講演をしてきました。
今回はmath.QA/0605176の結果とその
続きとなる結果について話してきました。
昨年、一昨年と草津の集会は天候に恵まれませんでしたが、今回は集会を通じてとても良い天気
だったため、少し日焼けをしました。
しかし今回は色々と忙しかったです。
うちの母親もそうなのですが、どうにも高地だと気圧が低いために軽い頭痛になります。
ちょっと体調が優れないうえに、幹事補佐としての仕事に加えて、草津に続く日程で行われる
代数学シンポジウムの講演の準備に追われ、今回はセミナーハウスの温泉以外に浸かることはできませんでした。
色々と忙しいのはそれはそれで充実した日を送れているということなので結構なのですが、
もう今年で30になったため、あまり無理をし過ぎないように気をつけないといけませんね。
- 2006年7月19日
原田先生が筑波大学を訪れており、今日はその歓迎会を行うというので、それならばとまたまた昼からお邪魔して
最近の研究状況について原田先生、八牧先生、宮本先生という群論の大御所の方々にセミナーに
付き合ってもらいました。
最近色々と四苦八苦していたベビーモンスター頂点作用素代数に関する問題について聞いて頂いたのですが、
有限群論から見るとあっけないほど簡単な問題らしく、ほとんど答えをもらう形になってしまいました。
要は私が予想していた通りに事が運ぶ様なのですが、答えが分かったといっても頂点作用素代数の問題は
残ったままなので、両方を解決できるように頑張りたいと思います。
歓迎会は私が筑波大を卒業してからできたショッピングモール街にある和食のバイキングに行ってきました。
電車も通り、つくばも大分変わっていました。
余談ですが先生方にはいつもお世話になりっぱなしでしたので、今日は手土産につくばの行きつけの
ケーキ屋でケーキを買って行きました。
都市の規模からするとつくばという街はケーキ屋がたくさんあり、レベルもかなりのものです。
それでいて東京ほど高くもないため、甘党・ケーキ好きにはとてもいい街と言えます。
それに比べると飲食店のレベルは今一歩と言ったところでしょうか。
店の数は増えているので、あとはもう少しレベルが上がって欲しいところですね。
- 2006年7月16日
今日は宮本先生の学生とともに原田先生と筑波山から筑波大学までのおよそ15kmを歩きました。
天気はあまり良くありませんでしたが、かえって暑さに苦しむこともなく楽しく歩けました。
途中、あちこちで祭りが行われており、神社で一休みするなど、とても情緒あふれる光景も
楽しめました。
その後、宮本先生も誘って土浦にあるスーパー銭湯
「湯楽の里」でみんなでひとっ風呂浴びてきました。
運動した後に入る大風呂はとてもとても爽快でした。
- 2006年7月13日
今年度は毎週木曜日には松尾研のゼミがあり、出張がない時には修士の学生のゼミに出ています。
今日は学生のゼミが一区切りし、早めに終わったため松尾先生に最近の研究の進展具合を
聞いて頂きました。
最近は松尾-Norton の跡公式の拡張を考え、ベビーモンスター頂点作用素代数への応用を
考えているのですが、今後の研究の方向性について色々と助言を頂けました。
大局的視点からの助言は非常にありがたいものです。
- 2006年7月5日
先週の仙台から来日され、現在東大を訪れている London Imperial College の
イワノフ教授を囲んでセミナーを行いました。
最近胃炎を患ってしまい、ちょっと体調が優れない状況で講演をしたのですが、イワノフ氏には
楽しんで頂けた模様で、嬉しかったです。
以前会ったときにはイワノフ氏の英語は聞き取りにくかったのですが、私も少しは英語に慣れた
ためか、今回は彼の冗談も聞き取れました。イワノフ氏、とってもファニーな方です。
また、e-Print server に載せていた論文math.QA/0605176に
新しい結果を追加して改訂しました。本論文をダウンロードされる際には version 2 であることをご確認ください。
- 2006年6月25日〜30日
仙台国際センターにて開かれた
Algebraic Combinatoricsに参加してきました。
今回は集会の副題が「An International Conference in Honour of Eiichi Bannai´s 60th Birthday」となっており、
坂内先生の還暦の記念集会です。
先月の原田先生の記念集会に続き、今回もお祝いムードの集会でした。
さすが代数的組み合わせ論の第一人者である坂内教授を祝う集会ということだけあって、特に懇親会のある日は
100人以上が参加した大きな集会でした。
また、坂内先生はたくさんの弟子を育てており、坂内スクールの大きさにも驚きました。
私もいつか研究・教育ともに大きな業績をあげて、還暦記念集会を弟子たちに開いてもらえるような研究者に
なりたいものです。
その前にまず、私の師匠である宮本先生の還暦集会を開けるように精進したいと思いますが。
- 2006年6月11日〜16日
オハイオ州立大学の原田耕一郎教授の退官記念に行われた、
Conference on Groups, VOAs, and Related Structures in Honor of Koichiro Harada
に参加しました。今年3回目の米国出張です。
3月にカリアックで行われた集会と連動した集会だったのですが、今度は米国での開催だったため、有限群論における
米国の(超)著名な先生方が多数参加されてました。
原田先生のお祝い記念ということもあって、有限群論が最も活発であった70年代当時の思い出話を色々と聴くことができました。
有限群論のコアな話になると流石に私には分からないことが多かったのですが、それでもとても面白かったです。
しかし少し気になった点もありました。今回は原田先生の同僚達が主な参加者ということを差し引いても、やはり若手の参加者が
物凄く少なかったことです。
有限単純群の分類が完成してからは新たにこの分野に入ってくる研究者が少なくなってしまったからだと容易に推察されますが、
純粋に有限群論という分野を考えた場合、このままではいずれ分類理論についてそのプロセスをきっちりと理解できる人が
居なくなってしまい、分野そのものがなくなってしまうのではないかと危惧してしまいました。
私自身はこれまでモンスターにまつわる数学に興味を持って研究を進めてきましたが、単に自分の興味だけで研究するのではなく、
この分野自体の発展にも貢献できるような研究を行いたいと強く感じるようになりました。
集会中、参加者の Lam さんと正則な枠付き頂点作用素代数の分類について何度か研究討論を行いました。
今までは解けそうな問題ばかりに取り掛かっていましたが、今回はかなり大掛かりな問題です。
打ち合わせを通じて、解決へ向けたよい手応えが得られました。
- 2006年5月30日
今日は書類を取りに筑波大へ行ってきました。
愛媛大の安部さんが共同研究のため宮本先生と打ち合わせをしていたのですが、門外漢ながら
私も混ぜてもらいました。
最後の方で最近私が考えていることも聞いてもらったところ、宮本先生から一つ助言を頂けました。
予定外の収穫に感謝!ですね。
その後三人で行きつけの中華屋へ行きました。
私は車だったのでビールを飲めなかったことが少し心残りですが、楽しい会食ができました。
やはり筑波に行くと昔の宮本研にいた頃が懐かしく感じますねぇ。
- 2006年5月22日
今日は
有限群論・駒場セミナー
にて、前回の続きの話をさせて頂きました。
今日は後半部分の枠固定部分群の構造について話しました。
やはり群論の専門家の前で群に関する結果を話すと色々と勉強させられます。
また、前回正則な枠付き頂点作用素代数の分類問題に関して、この問題が二進線型符号の分類に
帰着できるのではないか、ということを話したのですが、参加者の別宮さんが私の提示した条件を
満たす符号の内、長さが48までのものの分類に取り組んでくださいました。
色々な方に助けられて、研究が進むことに感謝しています。
- 2006年5月10日
今日は立教大にて行われている、東大数理の白石さんの授業を聴きに行きました。
門外漢の私ですが、可積分系のメーリングリストに入れていただけるなど、とても親切に
していただけました。
今日は立教大の談話会にて Goldston 氏の講演があったので、こちらにも参加させていただきました。
素数の分布に関する話題で、3月にサンタクルズで聴いた Terence 氏の講演と似たトピックでした。
談話会の後、立教大の横山氏の研究室を訪ね、談話をして帰りました。
池袋は色々なレストランがあってかなり楽しそうな街でした。
- 2006年5月8日
書きあがった論文の内容を
有限群論・駒場セミナー
にて発表しました。
ちょっと詰め込みすぎた模様で、前半部分の話しかできませんでした^^;
次回も話させていただくことになりました。
セミナーの後、台湾へ行くこととなった佐久間さんの送別会がありました。
久しぶりにまともな日本食を食べたのですが、いや〜やっぱりおいしいかったですね。
この日は2次会まできっちり楽しませていただきました。
- 2006年5月7日
帰国後、今書いている論文の最終校正をしてました。
それもやっと終わり、今日プレプリントサーバーに載せました。
明日か明後日のmath.QA/0605176に出ます。
50頁超の大作です。
- 2006年4月19〜5月3日
【滞在記はこちら!】
Kansas 州立大学の
Gerald Hoehn 氏のところへ
研究打ち合わせに行ってきました。
年度始めで色々と大変な時期でしたが、モンスターをはじめとする散在型単純群と
頂点作用素代数の数学について、とても有意義な研究討論をすることができました。
研究者らしい、とても濃密な研究者生活を送ることができました。
また、Hoehn 氏とは以前学会で数回会って、少し話をした程度の仲でしたが、
とても紳士な方で、非常によくしてもらい、大変お世話になりました。
Hoehn 氏の家族と共に、その温かいもてなしに感謝しています。
- 2006年4月1日
新年度になりました。
個人的には、4月はあまり好きではありません。
健康診断やら書類の提出やらで、色々と慌しいからです。
最近はずっと論文の打ち込みをやっています。
研究の調子がいいためか、書く内容がどんどん増えていき、章の割り振りや参照番号の整理が
結構大変です。
早く書き上げて、次の研究に着手したいものです。
- 2006年3月29日
中央大で開かれた、日本数学会総合2006年度年会に行ってきました。
春の学会は関東で行われるようで、家から近いということもあって自宅から
通うことが多いのですが、家からだと毎日行くのが億劫で、ついつい自分の研究に関連する
話題がある日を選んで聴きに行ってしまいます。
出張でホテルを取るような場合には特にやることも無いため、ほぼ毎日会場へ足を運ぶものなのですが。
しかし学会へ行くと研究についての情報交換ができます。
今回も例に漏れず、学会中、そして終了後もきちんと打ち合わせをしてきました。
夜に以前行った、お茶の水の餃子屋さんへ友人達と飲みに行ってきたのですが、やはりこのお店は
いいお店でした。
- 2006年3月19〜23日
浜松市の頭脳公園内にあるカリアックにて開かれた、
国際研究集会「有限群とその周辺」
(International Symposium on Finite Groups and Related Topics)に参加し、
「McKay observation, Glauberman-Norton observation and Miyamoto involutions」という
タイトルで講演を行ってきました。
この集会はオハイオ州立大学の原田耕一郎教授の退官を祝う集会で、J. Thompson,
R.L. Griess, G. Mason, R.M. Solomon 氏など海外の(超)著名な有限群論学者も集まった
非常に大きな集会でした。
このような集会で講演する機会を頂けて心から感謝するとともに、原田先生のこれまでの
業績に敬意を払いたいと思います。
原田先生とは一昨年の夏、つくばを訪問された際に一緒に筑波山に登った良い思い出があります。
数学の業績も然る事乍ら、原田先生は健脚家としても有名でして、筑波山の頂上で
「よし、このまま歩いて大学まで帰ろう」と仰り、本当に頂上から筑波大まで歩いて帰られたときには
その元気さに心底驚かされました。
真夏の暑い日に15km以上も歩き、へとへとだったのですが、「今度は筑波大から出発して、筑波山を登り、
そしてまた筑波大まで歩いて戻ってこようね」と言われ、「是非お願いします」と即答してしまいました。
この約束を果たす時に備え、数学だけではなく、体の方もしっかりと鍛えておかなければなりません。
集会には原田先生の弟子である Lam さんも参加されており、現在の最大の問題であった
枠付き頂点作用素代数の単純カレント拡大性について議論をすることができ、とうとうこの
問題を解くことができました。
今回の集会は私にとって、本当に色々な意味で有意義なものでした。
- 2006年3月8日〜16日
【滞在記はこちら!】
アメリカはカリフォルニア州にあるカリフォルニア大学
サンタクルズ(UCSC)の Dong 教授の
所へ研究打ち合わせをしに行ってきました。
また、同じく UCSC の Mason 教授も
訪ね、色々と議論に付き合ってもらいました。
お二人ともこの業界では超有名人で、学会で何回か話したことがあり、とても気さくな方だとの
印象を持っていましたが、やはり気さくな方で、とても親切に私を受け入れてくれました。
格下の(!?)私にとても親切にして頂きました。
また、週末の間はサンタクララに住む大学時代の級友の家にお邪魔させてもらいました。
友人にもとてもお世話になりました。
初のアメリカ旅行だったのですが、とても楽しかったです。
- 2006年3月7日
筑波大学時代にお世話になった宮本先生の研究室を佐久間さんと訪れました。
夕方から宮本研の学生の学位取得のお祝い会があるので、それならばと昼から
お邪魔して、最近の研究について話し合いをさせてもらおうと思ったからです。
慣れ親しんだセミナー室でコーヒーを飲みながら話し合いました。
最近の頂点作用素代数の理論の進展について、「今はこんなこともすぐに証明できるんだね」
という宮本先生の言葉が印象的でした。
お祝い会ではいきつけの中華料理屋へ行きましたが、人数が多かったためか、
はたまた店員さんが計算を間違えたのか、とてもリーズナブルな料金で会食を
楽しめました。
その後、最近就職を決めた友人宅へお祝いの挨拶へ伺いました。
夜遅くにお邪魔してしまいましたが、アメリカの地図を貸してくれて感謝しています。
【追記】後で後輩に聞いたところ、店員さんの計算は間違っていなかったようです。
- 2006年2月25日〜26日
朝方、台南を出発し、飛行機で台北へ移動しました。
台北から台南へ行くときはバスで5時間以上かけて移動したのですが、やはり飛行機だと早くて楽です。
台北の国内線の飛行場は本当に台北市内にあり、すぐにホテルへ着くことができます。
日本への帰国は翌日なので、この日は台北観光をしました。
とはいえ、あまり時間がなかったので昼飯に安い鱶鰭スープ定食を食べ、お土産を買いに市街へ行き、
屋台で夕食を済ますというとても手軽な観光しかできませんでした。
市場で火龍果(ドラゴンフルーツ)を買って食べてみましたが、
味の薄いキウィのようでした。(ちなみに一個百円ほどでした。)
翌日は雨でしたので、屋台で朝飯をとることを断念し、北大の島倉君と国際空港である中正機場へ
移動しました。時間通り移動でき、すんなりと帰国できました。
しかし、やはり日本は寒かったです。帰国後、風邪を引いて寝込んでしまいました。
- 2006年2月17日〜25日
台湾の国立成功大学(正確には中華民國の國立成功大學)の C.H. Lam 氏と研究打ち合わせをするため、
台南に来ています。
台南に来るのはこれで2回目でして、前回2004年の夏に成功大学を訪ねたときは応用数学科の研究棟に
ある部屋をお借りしたのですが、今回は成功大学内の
國家理論科學研究中心に滞在させて頂いています。
こちらはまだ改装したてのとても綺麗な建物で、設備も充実しており、なんだか部屋の中にいるだけで
研究をしなくては!という気分になります。
21日には頂点作用素代数と有限群に関する一日集会
One Day program on finite groups and vertex operator algebra
にて「Extensions of vertex operator algebras」というタイトルで講演をさせて頂きました。
一週間毎日 Lam さんをはじめとするみんなと打ち合わせを続け、かなり濃密な研究生活を
送ることができました。
研究の方もかなり順調で、今後の問題についても見通しが出てくる段階にまで進めることができました。
一番の問題であった、「全ての枠付き頂点作用素代数はその二進符号頂点作用素部分代数の単純カレント
拡大になっている」という問題について、何度も証明ができたと思ってはギャップが見つかる
の繰り返しでしたが、本当にあと少しというところまでこぎつけました。
帰国後、じっくり証明を詰めていきたいのですが、この後も出張が続いて忙しいんですよね。。。
- 2006年2月13日〜16日
北大COEプログラムの一環で開かれた研究集会
第2回数学総合若手研究集会
に参加し、
「Vertex operator algebra and McKay's E_8 observation on the Monster」というタイトルで
発表を行ってきました。
この集会は若手の若手による若手のための集会といった感じで、(多分)私よりも若い方が
オーガナイザーや座長をなさっており、とても生き生きとしたいい集会でした。
発表は以前使ったプロジェクター用のPDFを再度焼きなおして使用したのですが、講演は
日本語でも板書は英語で、と言われていたことを思い出し、現地での手直しが少し大変でした。
また、出張直前に投稿中の論文の審査結果などが来て、その返事を出すのにホテルでずっと
ノートパソコンを叩いていました。
しかしノートパソコンは本当に便利です。
以前はノートパソコンを持っていなかったため、出張の際には文献を持っていくのが
大変だったのですが、今ではノートパソコン一個で済みます。
もう手放せないですね。
また、北大では昨年度まで東大で一緒だった島倉君や、筑波大時代にお世話になった田辺さんと
会うことができ、談話を楽しみながら食事を共にできてとてもよかったです。
本場のジンギスカンはやっぱりおいしかったです。
今月・来月は出張続きで、このあとすぐに台湾へ行き、そして来月はアメリカ=>浜松と
また出張が続きます。移動が多いのがちょっと辛いけど、現地のうまいものを食べ、
出張へ行ったら太って帰ってくるという鉄則(!?)を守るべく、頑張りたいと思います。
- 2006年1月16日
最近の研究結果について、「枠付き頂点作用素代数の位数4の自己同型について」というタイトルで
有限群論・駒場セミナー
にて発表させていただきました。
このセミナーは基本的に隔週月曜に開かれており、主に有限群論に関係した数学についてセミナーを行っています。
このセミナーの良いところは、内容が未完成の話でもよく、また参加者の皆様が様々な助言を
くださるところです。
日本最高クラスの有限群論の研究者の方々が集まっており、非常に有益なコメントや情報を与えて
くださいます。
特に話がまだ完成していない場合には、どのように話を発展させるべきか、大局的な視点からのコメントを
頂けることがあります。
私のような若手にとってはこのようなコメントは非常に有難いものになります。
今回はちょっと頂点作用素代数に傾斜した内容でしたが、それでも様々なコメントを頂けました。
今年度はこれから大学入試など、先生方にとっては忙しい時期になりますので、今回が今年度の最後の回と
なりそうですが、また新しく結果を出して、来年度も発表させて頂きたいと思いました。
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