近況報告 2011年
   
【過去の分はこちら】
- 2011年12月26日
午後から東大数理に赴き、松尾ゼミのセミナーに参加してきました
- 2011年12月16〜23日
中央研究院数学研究所で開かれた研究集会Conference on Vertex Operator Algebras, Finite Groups and Related Topicsに参加するため、台北に出張してきました。
19日に "Matsuo-Norton trace formula for vertex operator superalgebras" というタイトルで講演を行いました。
今回の訪台中は天気に恵まれず、毎日小雨が降っていました。
また、気温も低く、暖房設備がない台湾の研究室内では服を着こまないと寒くて仕方ありませんでした。
台湾大学の周りは学生街になっており、食事・買い物には困りません。今回も楽しく過ごすことが出来ました。
- 2011年12月2日
午後から東大数理に赴き、松尾ゼミのセミナーに参加してきました
- 2011年11月14日
東大数理に赴き、午前中は松尾ゼミのセミナーに参加しました。
午後は古庄氏の集中講義を聴講しました。
内容はドリンフェルトが考案したアソシエイターに関する話で、面白そうなので明日も参加したかったのですが、授業があるため初日のみの参加となりました。
- 2011年11月5〜6日
筑波山の北は筑西市にあるザ・ヒロサワ・シティにて開かれた合宿形式の勉強会に参加してきました。
今回は研究成果を発表しあう研究集会ではなく、有限群に関して純粋に勉強を行う勉強会であり、特にフルヴィッツ群について楽しく勉強できました。
昨今は研究集会が多く開催されていますが、個人的にはこういう勉強会の方こそがもっと多く開かれるといいと思いました。
- 2011年10月31日
有限群論駒場セミナーに参加してきました。
今日はラドヴァリス群の構成に出てくる部分群の構造に関する話でした。
有限体上のユニタリ群は定義は知っているもののあまり馴染みがありません。
今回は U3(3)-空間の性質をフルに使った話が聞けて、色々と勉強になりました。
- 2011年10月28日
知り合いの数学者と研究打合せを行うため、前任校である愛教大に出張してきました。
夜はかつての同僚たちと馴染みのお店でお酒を飲みながら談笑しました。
- 2011年10月17日
有限群論駒場セミナーに参加し、「松尾-Norton の跡公式の一般化」というタイトルで講演を行ってきました。
公式を考案した本人の前で講演させて頂きました。
- 2011年9月28日〜10月1日
ドイツから帰ってきたばかりですが、信州大学で開かれた日本数学会秋季総合分科会に参加してきました。
松本は高地のためか昼は日差しが強く暑かったのですが、夜は思った以上に冷え込み、ドイツよりも寒い位でした。
- 2011年9月17〜25日
研究集会"Conformal field theory, Automorphic forms and Related topics"で講演するため、ドイツのハイデルベルグ大学にある数学の研究所MATCHに行って来ました。
ドイツに行くのは今回が初めてでしたが、綺麗な街並みで過ごしやすく、とてもいい所でした。
驚いたのはドイツでは黒板消しの代わりに濡れたモップを使い、ワイパーで水を切ることでした。
外国人講演者はドイツ流の黒板の消し方に戸惑っていましたが、本場のドイツ人は講演しながら自然に使いこなしていました。
今回の旅程は日本の祝日と重なっていたためフランクフルト行きの直行便が取れず、往路は香港経由、復路は香港そして台湾を経由する便で移動しました。
特に帰りの便はフランクフルト空港から成田空港まで22時間もかかったため、とても疲れました。
- 2011年9月9〜15日
Lam さんと研究打合せを行うため、中央研究院数学研究所のある台北の台湾大学へ出張してきました。
中央研究院の数学研究所は以前は台北市の東端にあったのですが、最近台湾大学の天文学科および数学科と合同の建物に移りました。
これまで何回も台湾には来ていますが、台湾大学を訪れるのはこれが初めてになります。
今回は台湾大学のゲストハウスに泊まりました。
周りは学生街で食事処には困らず、とても過ごしやすい所でした。
肝心の打合せの方はフィッシャー群の再帰的構造について議論しましたが、あまり準備せずに議論を始めたのにも関わらず、かなりいい感じで議論を進めることができました。
滞在日数が短めでしたが、その分濃密な研究が行えました。
- 2011年9月5〜8日
千葉大学にて集中講義をしてきました。
集中講義をするのは今回は初めてです。
普段の授業では学生の反応や理解度を見ながら話す内容や解説の具合をある程度修正することができますが、
集中講義では普段の授業と違って一気に話さなければなりません。
そのため話の組み立てをしっかりと立てる必要があり、思った以上に準備に時間がかかりました。
内容は頂点作用素代数の入門と具体例の構成、そして宮本の自己同型について話ました。
聴講生向けの問題をいくつか出したのですが、そのうちの一つが知り合いの研究者によってさっくり解かれました。
- 2011年8月25〜27日
東大数理で開かれたSummer School 数理物理 2011に参加し、講演を聞いてきました。
夏休みなのに多くの方が参加しており、とても盛況でした。
- 2011年8月8〜11日
岡山大学で開催された第56回代数学シンポジウムに参加しました。
岡山は暑いな〜と思ったのですが、この時期は全国的に気温が高かったようです。
- 2011年7月29日〜8月1日
毎年の恒例の草津セミナーハウスで開かれた
第23回有限群論草津セミナーに参加し、「3互換群に関連する代数」というタイトルで講演をしました。
今年度は天候に恵まれず、30,31日ともぐずついた天気でした。
空き時間にジョギングをしたとき、どうも鼻の調子がおかしいと思ったのですが、風邪の引き始めだったようで、出張後に熱が出ました。
- 2011年7月11日
今学期最後の有限群論駒場セミナーに参加してきました。
今日の内容は頂点作用素代数の C2余空間における特異ベクトルの話でした。
セミナー修了後、渋谷のベトナム料理店で打ち上げを行いました。
この時期はビールが本当に美味しいですね。
- 2011年7月8日
研究打ち合わせのため母校である筑波大学に行ってきました。
今回の震災で筑波大学も大きな被害を受けたそうです。
数学系では図書室の被害が大きかったそうですが、私が驚いたのは地盤沈下の方でした。
数学系の8階建ての建物の周りが大きく沈下しており、入り口階段の段差がとんでもないことになっていました。
セミナー室は普通に使用できましたので、研究討論の方は滞り無く進めることができました。
- 2011年6月20〜22日
大分大学で開かれた第23回代数的組合せ論シンポジウムに参加してきました。
大分といえば別府温泉が有名ですが、今回は別府温泉には行く時間がありませんでした。
大分駅に昼から開いている立ち飲み風の居酒屋さんがあるのですが、普通に食事をすることもできます。
20日の昼食と22日の夕食にこの店で大分名物とり天を食べました。
- 2011年6月13日
有限群論駒場セミナーで講演をしました。
3-互換群に関するこの論文の解説と頂点作用素代数との関係について話してきました。
- 2011年6月2〜5日
第14回代数群と量子群の表現論研究集会に参加してきました。
今回は瀬戸内海にある小豆島で行われました。
表現論における最近の流行など、色々と興味深い話しを聞くことができました。
ただ最終日に体調を崩してしまい、この日は講演を最後まで聞くことができなかったのが残念です。
- 2011年5月30日
有限群論駒場セミナーに参加しました。
フロベニウス・シュアーの定理の一般化と応用に関する話でした。
この定理は有限群の既約表現の実・複素・四元数体構造に関係したものですが、
近年ホップ代数やテンソル圏でも同様の定理が発見されており、頂点作用素代数への拡張とその解釈に興味がもたれます。
分かりやすいところでは、枠付き頂点作用素代数の実構造が同様の定理で記述できるものと思われます。
- 2011年5月23,25,27日
台湾中央研究院の Lam さんが来日され、滞在先の一橋大学にて研究打ち合わせを行いました。
新たな知見が得られました。
- 2011年5月9日
有限群論駒場セミナーに参加しました。
今回はクラスター代数における変異に関連した有限群の分類問題に関する話の続きでした。
前回は正体が分からなかった群の構造が決定できたそうです。
残念ながら散在型の群は出てきてくれませんでした。
- 2011年4月25日
今年度最初の有限群論駒場セミナーに参加しました。
今日のお題はフィッシャー群と有限幾何に関する話でした。
素朴ながらも奥が深い 3-互換群の話はやっぱり面白いですね。
- 2011年4月14日
ハヤカワ文庫の「歴史は「べき乗則」で動く」を読み終えました。
本書では地震のメカニズム自体はよく分かっているのに、なぜ地震予知が難しいのかや、金融危機や過去の生物の大量絶滅が起こった理由などを数理モデルを用いて考察しています。
(ただし数式はほとんど用いていません。)
そして臨界状態におけるスケール不変性からべき乗則が見えてくることを明快に解説しています。
最後には文系と理系の融合とも思える歴史物理学なるものを提唱しています。
本書からは多くの知的な刺激を受けました。
読んでいてとても面白かったです。
ちなみに、本書において磁石の話で出てくるモデルは私の研究内容と密接な関わりがあります。
一見お互いに関係のないような話でも、深いところで繋がっているという点がまた面白いですね。
ところで最近よく数学は役に立つのか?と問われることがありますが、個々の理論は現実に応用できなくとも、数学的素養を身につけ、本書のように現実から必要なエッセンスを抜き出してモデル化して考えることは日常生活を送る上でも大いに役立つと思います。
また、高度な数学理論に触れることで、数理的な思考で重要となる知的審美眼も養えると思います。
より多くの人が数学的素養を身につけ、科学の楽しさ・美しさを堪能していただければと思います。
- 2011年3月22日
日本数学会2011年度年会が震災のため中止になったことに伴い、臨時講演会が京都大学数理解析研究所で急遽開かれることになり、これに参加してきました。
一時間枠の講演を集めた集会で、色々な話が聞けました。
関西では取りつけ騒ぎは起きておらず、スーパーでも普通にミネラル水が売っていました。
ガソリンを買いだめしてもどうせ逃げるときには大渋滞で交通網が機能しないものと思われますし、食料を買いだめても電気やガスが止まったら生鮮品などはせいぜい二、三日分しか持たないわけですから、お風呂の残り湯を捨てないでとっておくなど、みなさん賢く冷静に行動してもらいたいものです。
でも、いわゆるコモンズの悲劇ですが、現状を抽象的なゲームと見立てた場合、全体の利益は最大化できないけれど、一参加者としては買えるときに買えるだけ買うのが確かに最善手なんですよね^^;
- 2011年3月13日
台湾の Lam さんが 16 日より予定されていた訪日をキャンセルされました。
とても残念ですが震災の被害・影響を考えると仕方ありません。
- 2011年3月4〜5日
北大で行われたミニ研究集会「代数的組合せ論」に参加してきました。
今日の便も雪のため出発、着陸ともに遅れましたが、なんとか札幌へ移動することができました。
これだけ遅れると人間も諦めがつくもので、もう兎に角着けばいいやという気分になっていました。
今回の集会は吉田先生の最終講義が組み込まれたもので、こういった機会でなければ聞くことのできない話を吉田先生が話してくださり、とても面白かったです。
なお、帰りは時間通り飛んで、時間通りに羽田に着きましたが、機内にラップトップPCを忘れてしまい、最後までトラブル続きの移動となりました。
(忘れ物は私のミスですが^^; 探し出してくださった職員の方には感謝しています。)
- 2011年3月3日
ミニ研究集会「代数的組合せ論」に参加するため羽田空港から新千歳空港行きの飛行機に乗りましたが、降雪のため新千歳空港に着陸できず、青森上空から羽田へ引き返すこととなりました。
しょんぼりしながら羽田空港にて明日の便への振り替え手続きを行いました。
- 2011年2月22日
ずいぶんと時間がかかりましたが、数年前から取り組んでいた研究論文の一つがとうとう出版されました。
ちょっとスッキリしました。
- 2011年2月14〜15日
名大にて開かれたワークショップ The elliptic genus of K3 surfaces and the Mathieu group M24に参加してきました。
初日の午後は名古屋とは思えないほど雪が降りましたが、次の日は綺麗に晴れてとても気持ちのいい天候でした。
この集会では数学者と物理学者の交流が一つのテーマとなっており、普段あまり話すことのない物理を専門とする方とお話できてとてもいい勉強になりました。
- 2011年2月7日
今年度最後の有限群論駒場セミナーに参加しました。
今日は自己同型の不動点部分代数 C2 有限性の話でした。
セミナー終了後、神泉のひしゅうやさんで打ち上げを行いました。
二次会に誘われましたが、明日の業務のため今回は帰らせていただきました。
- 2011年1月17日
今年最初の今年最初の有限群論駒場セミナーに参加しました。
今日はモンスターの位数を求める話と、ブラワーの論文にある補題への群コホモロジーからのアプローチについての二本立てでした。
モンスターの位数はグライスらの論文によってきちんと求められたことになっていますが、その計算はとても込み入っており、有限群の専門家でも解読することは難しいそうです。
今回の話では z を位数 2 の元として 21+24.Co1 を CG(z) に持つ有限単純群の位数は 21+24.Co1 の情報から一意的に決まり、その値はずばりモンスターの位数になるという話でした。
参加者のコメントによると、21+24.Co1 の位数 2 の元を数えつくす必要があり、この部分がとても骨の折れる部分になるそうですが、他は群論を知っている方ならば誰でもフォローできる議論であるとのことでした。
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